ITS情報通信システム推進会議

私たちは情報通信技術を活用し、世界で最も安全で環境にやさしく経済的な道路交通社会の実現に寄与します。

活動内容

+シンポジウム
+平成16年度 ITS情報通信システムシンポジウム 開催レポート
+5.講演〜テーマ 「ITS世界会議 愛知・名古屋2004に向けての展望」
 日本組織委員会 事務局長 石 太郎氏
 

石太郎氏<講演概要>
地上デジタル放送も始まり、情報通信技術との融合により、ITSへの影響も出ようとしている。デジタル時代の到来は、放送と通信やデジタル化のもたらす双方向化の意味の考察、移動体への影響等さまざまな課題の克服など、多様な取り組みが新たに必要となる。

特に、移動体への影響について具体化するために、「ITSにおけるデジタル放送を含めた携帯電話、DSRC等無線システム活用策に関する調査研究会」(座長:森川高行名古屋大学大学院教授)のプロジェクトも始まっている。総務省東海総合通信局では、ITS推進本部を設置し、ITS推進に力を入れている。2月には実証実験が行われ、移動体へのデジタル放送の提供画像のすばらしさを体験した。今後は、地上デジタル放送、携帯電話、DSRCの役割分担が課題になるであろう。また、提供するコンテンツの構築も大きな課題である。

このような情報通信技術の進展を背景に、「ITS世界会議愛知・名古屋2004」(以下ITS世界会議2004)が開催される。日本では、1995年横浜以来2度目の開催であり、これまで10回の経験を踏まえて、次の10年に向けて新しい潮流を作ろうとしている。このため「飛躍する移動-ITS for Livable Society」のテーマのもとで、市民参加コンセプトを導入しITS体験型の世界会議を目指している。従来の専門家を中心とした世界会議から、市民参加により身近にせまるITSを実感できる世界会議とする。開催期間は、世界会議10月18日〜22日、展示会19日〜24日と土日延長する。全国のITS推進組織等との連携もとる。このため開催規模も、会議登録5千人、総参加者5万人、全国参加者50万人と従来にない規模を設定している。会場は、開会式は愛知県芸術文化センター、セッション・展示会等はポートメッセなごやにて実施する。
ポートメッセなごやに設営される「ITSワールド」は、市民参加の中心コンセプトとし、実物大の都市を作りITSを安全・環境利便の切り口から、実際のITSの仕組みや実物を展示する。ジオラマシアターにてITSの仕組みを理解してもらい、現在のITS、未来の社会等を体験してもらう。開催前の週と開催期間中にオアシス21においてITSフェスティバルを開催し盛り上げを図る。合わせて名古屋まつりとの連動も図り盛り上げ活動を行う。

ショーケーステクニカルツアーも、今回の世界会議の特徴である。従来の施設見学を中心とするテクニカルツアーではなく、我が国の最先端のITS事例(ショーケース)を連続して視察・体験できるように工夫している。名古屋地域及び豊田市を対象に10コース、愛知県のみではなく日本各地に視察・体験する10コース、海外の3コースと全部で23コースの設定となっている。この中には、東海総合通信局の取組むDSRC体験ツアーも含まれる。
日本のITSは、従来の活動実績により世界からを高い評価得ており、専門家の世界会議の質を上げるとともに、今回全く始めての市民参加の取り組みを行う。
デジタル時代を背景に、進化するITSには将来の交通社会に向けての期待がかかっている。インターネットの普及等、生活にも情報通信の進展の波が及びITSへの影響も大きい。このような中で開催される2004年ITS世界会議は、今後の交通社会を見通し何をすべきかについて考える重要な世界会議である。多くの方々の登録及び参加を期待したい。

>>石太郎氏の講演配布資料はこちら(PDF/3.2MB)


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