ITS情報通信システム推進会議

私たちは情報通信技術を活用し、世界で最も安全で環境にやさしく経済的な道路交通社会の実現に寄与します。

シンポジウム

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+平成14年度 パネルディスカッションの主な内容

【1】DSRCは社会生活にどういったインパクトを与えるものとなるか?

■ トヨタ自動車・天野 肇氏
  車の基本機能の「走る」「曲がる」「止まる」に加えて、最近のIT社会の中で『繋がる』が重要となってきた。メーカとしてもサービスを始めており、車と外部を繋げる手段としてDSRCがリード役を担うことが可能となってきた。

■ KDDI・中村博行氏
  先日行った実験でのアンケートでは、車の中から知りたい情報として道路交通情報・天候情報・緊急情報・施設情報が高かった。そしてDSRC、つまり位置情報がそこにあることが重要である。DSRCはその場所に来れば、求める情報が意識せずに入ってくる利点がある。

■ ITS総合研究所・菊地仙一郎氏
  DSRC通信の利便性を拡大することが大切。料金決済や情報配信サービスが通信料無料で実現できるので、さまざまなアプリケーションを開発してカーライフに貢献したい。 また、道路公団は自動料金収受のためだけなく、ETC車載器を活用したサービスエリア/パーキングエリアでの情報提供を実施すべきである。

【2】DSRCはどのように認知させるべきか?どのように売るか?
■ 豊田市・加藤 泰氏
  行政も市民もDSRCを意識することはないが、ETCはかなり認知されており、そのサービス内容次第で自然と受け入れられていくことになる。そのためにETC機能を拡大いただき、その価値を高めてほしい。

■ ITS総合研究所・菊地仙一郎氏
  厚木での実証実験では190名来場いただいたところ、約半数の方はDSRCの活用を知らなかったが、車の中から指示/決済できる洗車機能や音楽ダウンロードなどの体験後は、DSRCの良さを十分に理解いただき、新たなマルチメディアサービスを構築いただく感触を得た。

【3】DSRC普及に向けた課題とその解決策
■ KDDI・中村博行氏
  存在価値、つまりDSRCそのものが位置情報を含んでいる通信手段を活用したアプリケーションに期待する。技術的課題として互換性が重要。互換性確認をオープンな場できちんとやることが今後急速な展開につながる。

■ トヨタ自動車・天野 肇氏
  お客様にDSRCを将来のものとして様子見させてはいけない。そのためには標準化がすでにできていることをはっきり知らせることが重要。また、相互接続性や決済の仕組みと一体となった社会インフラ化が重要でシステムの運用性がキー。

【4】沖電気工業・太刀川喜久男氏(まとめ)
本日のパネルディスカッションを通じ、DSRC普及のためには「互換性確保のためのアプリケーションを含めた標準化と試験」「技術優先にとらわれずユーザ・利用者の支持獲得をめざすこと」「関連サービス事業者との連携」が重要。本日来場の皆様方には本ディスカッションで意見提示された点などを、ぜひビジネスに活かし、ITSの普及に努めていただきたい。
コーディネータ 太刀川氏
コーディネータ太刀川氏
パネリスト
パネリスト


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