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平成14年度 パネルディスカッションの主な内容 【1】「カーテレマティックス」という機械は生活にどんな変化をもたらすか? ■小学館・小室氏 カーITに関しては、以下の三つの視点がある。 (1) クルマを巡るユーザー意識の変貌。 具体的には、趣味が多様化によりクルマへのこだわりが薄くなり、クルマ好きも減った。クルマ自体が目的ではなく、自分のライフスタイルを実現するための道具としてとらえる人が増えている。さらにクルマは、移動のための手段から移動する空間、つまり、その中で何をするかということに関心がシフトしている。 (2) テレマティクスは魅力的か? ITがユーザーに受け入れられる条件として、簡単、明快、携帯でなければならない。さりげなくすごい、そして遊べるものであること、どこのメーカーでもすぐ使えること。デザインも遊び心が必要で、運転席も、機器や計器のかたまりではなく、テレマティクスがしっくりとくるようなデザインにすることが必要。 (3) コンテンツは金になるか? ユーザーは、テレビが・インターネット等であらゆる情報はただだと思っている。情報があふれる今、「情報は使い捨て」になっているという認識を持つことが必要。ただし、自分が価値を認める情報に対しては対価を支払うものであり、雑誌はそのような存在であり続ける模索を続ける。 ■日産自動車・亀山氏 クルマの性能は、改良が重ねられ、信頼性は上がった。ただし外とのコミュニケーションはとれないが、ITで「人とクルマ」「街とクルマ」「情報とクルマ」をつなぐことで、お客さまの安心感、快適性が高くできると考えている。実際に使用する機器に対しては、きちんと使え、便利である、という部分が重要。 ■NTTドコモ・黒川氏 理想は、クルマの中に入ったことを意識しないほどの快適さ、便利さを実現すること。情報空間としての広さに心地よくひたってもらえるような状態を作り出したい。ヒューマンマシンインタフェース(HMI)となるカーナビなどの機器類に対しては、ネットワーク側でのエージェント技術や音声認識等、いかに使いやすくするようなサポートができるかを考えている。さらに提供する情報の内容や料金など、ケータイで培ったノウハウを活用して行きたい。 ■日本総研・倉沢氏 表に出るサービスとしても、バックヤードとしても、生活に変化を与え、暮らしに機械がなじむことが大切だと言える。 【2】その「カーテレマティックス」をどう売っていくか? ■日産自動車・亀山氏 テレマティクスはあくまでもクルマという商品の一部で、テレマティクスをやる組織が単独で独立して存在するわけではなく、車という商品を扱う既存の組織の中に、テレマティクスという軸で関係部署と連携・サポートする部隊があり、販売促進を進めている。その中での課題は以下の2点。 ・テレマティックスという商品は、お客さまにソフト、サービスという商品を提供するものであり、どのように扱っていくべきか。 ・口頭で説明するだけではなかなかわかりにくい商品であり、いかにお客さまに商品の良さ・価値をわかっていただけるか。 ■デンソー・時津氏 売るためには、まず市場を作ることが必要。クルマの中を変えていくにはテレマティクスが必要だがうまく働くビジネスモデルがなく、現在のように市場そのものを作り出す段階においては、インフラや車内通信等の共通の基盤を共同で作り、その上で競争していくという環境が重要。日本全国を走る七千万台のクルマがネットワーク化されれば、七千万の店舗が作られたにも等しく、これによって大きなeコマース市場が生まれる。日本は、移動通信の環境が整備されており、日本で成功することが、世界でも成功するカギだと考える。 ■NTTドコモ・黒川氏 受け入れられるためには、便利さがポイント。例えばハードウェアのインターフェースやプロトコルやブラウザなど、様々なものについて言える。NTTドコモとしては、便利なものにするためには極力標準化するようにしており、通信キャリア間での競争はあるが、目指す方向はキャリアフリーである。 ■日本HP・松本氏 ITやテレマティクスといっても特殊な技術は必要ない。Javaやサーバ、インターネットなど、汎用の技術を使って行く限りは、どのベンダーでもよいことになる。基本的な条件をそろえ、どことでも広く提携できる力を持った上で、各々のベンダーは、技量で互いに競争していくことになる。 要は、顧客が望むもの、クルマや電話、回線、政府のサービスなどをどうお客のところまで届けるかがポイント。日本は、クルマにIT、電話などの高い技術とそれを使いこなすユーザーがおり、世界に発信することも十分に可能だ。 ■小学館・小室氏 技術の内容はどんどん高度化しており、紙数を使って分かりやすく書いても、読むだけではやはり理解しにくいのが現実。量販店では家電アドバイザーがいて、商品のセールスポイントや他の商品との比較、実際の長所や短所などを、ユーザーの使い方に合わせて丁寧に説明してくれるようになって来た。ただし、ITを分かる人がまだ少なく、お年寄りなど、情報機器操作の不得意な人が尋ねても分かりやすく説明してくれるお店のスタッフの育成が必要になる。 【3】「カーテレマティックス」の未来、期待、あるいは課題 ■日産自動車・亀山氏 お客様にリーズナブルと思ってもらえるバリューフォーマネーな商品を提供するかが大切。 ■デンソー・時津氏 ひたすらオープンに。みんなで渡れば大成功。 ■NTTドコモ・黒川氏 シームレスでユーザーフレンドリーな環境の創造を。 ■日本HP・松本氏 日本から世界へ、日本の景気回復にも役立てたい。 ■小学館・小室氏 ニワトリが先か、タマゴが先かと言われるが、ニワトリも先に、タマゴも先に、と申し上げたい。 ■日本総研・倉沢氏(まとめ) このようなテーマで議論される事が今までは無かった。これをきっかけにITSを普及のさせるため、今回会場に来られた方ひとりひとりが、1ユーザーの立場でどうすべきかを考えることで、ITS推進の役に立てればと思う。 シンポジウム開催レポートへ戻る
■小学館・小室氏 カーITに関しては、以下の三つの視点がある。 (1) クルマを巡るユーザー意識の変貌。 具体的には、趣味が多様化によりクルマへのこだわりが薄くなり、クルマ好きも減った。クルマ自体が目的ではなく、自分のライフスタイルを実現するための道具としてとらえる人が増えている。さらにクルマは、移動のための手段から移動する空間、つまり、その中で何をするかということに関心がシフトしている。 (2) テレマティクスは魅力的か? ITがユーザーに受け入れられる条件として、簡単、明快、携帯でなければならない。さりげなくすごい、そして遊べるものであること、どこのメーカーでもすぐ使えること。デザインも遊び心が必要で、運転席も、機器や計器のかたまりではなく、テレマティクスがしっくりとくるようなデザインにすることが必要。 (3) コンテンツは金になるか? ユーザーは、テレビが・インターネット等であらゆる情報はただだと思っている。情報があふれる今、「情報は使い捨て」になっているという認識を持つことが必要。ただし、自分が価値を認める情報に対しては対価を支払うものであり、雑誌はそのような存在であり続ける模索を続ける。 ■日産自動車・亀山氏 クルマの性能は、改良が重ねられ、信頼性は上がった。ただし外とのコミュニケーションはとれないが、ITで「人とクルマ」「街とクルマ」「情報とクルマ」をつなぐことで、お客さまの安心感、快適性が高くできると考えている。実際に使用する機器に対しては、きちんと使え、便利である、という部分が重要。 ■NTTドコモ・黒川氏 理想は、クルマの中に入ったことを意識しないほどの快適さ、便利さを実現すること。情報空間としての広さに心地よくひたってもらえるような状態を作り出したい。ヒューマンマシンインタフェース(HMI)となるカーナビなどの機器類に対しては、ネットワーク側でのエージェント技術や音声認識等、いかに使いやすくするようなサポートができるかを考えている。さらに提供する情報の内容や料金など、ケータイで培ったノウハウを活用して行きたい。 ■日本総研・倉沢氏 表に出るサービスとしても、バックヤードとしても、生活に変化を与え、暮らしに機械がなじむことが大切だと言える。
■日産自動車・亀山氏 テレマティクスはあくまでもクルマという商品の一部で、テレマティクスをやる組織が単独で独立して存在するわけではなく、車という商品を扱う既存の組織の中に、テレマティクスという軸で関係部署と連携・サポートする部隊があり、販売促進を進めている。その中での課題は以下の2点。 ・テレマティックスという商品は、お客さまにソフト、サービスという商品を提供するものであり、どのように扱っていくべきか。 ・口頭で説明するだけではなかなかわかりにくい商品であり、いかにお客さまに商品の良さ・価値をわかっていただけるか。 ■デンソー・時津氏 売るためには、まず市場を作ることが必要。クルマの中を変えていくにはテレマティクスが必要だがうまく働くビジネスモデルがなく、現在のように市場そのものを作り出す段階においては、インフラや車内通信等の共通の基盤を共同で作り、その上で競争していくという環境が重要。日本全国を走る七千万台のクルマがネットワーク化されれば、七千万の店舗が作られたにも等しく、これによって大きなeコマース市場が生まれる。日本は、移動通信の環境が整備されており、日本で成功することが、世界でも成功するカギだと考える。 ■NTTドコモ・黒川氏 受け入れられるためには、便利さがポイント。例えばハードウェアのインターフェースやプロトコルやブラウザなど、様々なものについて言える。NTTドコモとしては、便利なものにするためには極力標準化するようにしており、通信キャリア間での競争はあるが、目指す方向はキャリアフリーである。 ■日本HP・松本氏 ITやテレマティクスといっても特殊な技術は必要ない。Javaやサーバ、インターネットなど、汎用の技術を使って行く限りは、どのベンダーでもよいことになる。基本的な条件をそろえ、どことでも広く提携できる力を持った上で、各々のベンダーは、技量で互いに競争していくことになる。 要は、顧客が望むもの、クルマや電話、回線、政府のサービスなどをどうお客のところまで届けるかがポイント。日本は、クルマにIT、電話などの高い技術とそれを使いこなすユーザーがおり、世界に発信することも十分に可能だ。 ■小学館・小室氏 技術の内容はどんどん高度化しており、紙数を使って分かりやすく書いても、読むだけではやはり理解しにくいのが現実。量販店では家電アドバイザーがいて、商品のセールスポイントや他の商品との比較、実際の長所や短所などを、ユーザーの使い方に合わせて丁寧に説明してくれるようになって来た。ただし、ITを分かる人がまだ少なく、お年寄りなど、情報機器操作の不得意な人が尋ねても分かりやすく説明してくれるお店のスタッフの育成が必要になる。
■日産自動車・亀山氏 お客様にリーズナブルと思ってもらえるバリューフォーマネーな商品を提供するかが大切。 ■デンソー・時津氏 ひたすらオープンに。みんなで渡れば大成功。 ■NTTドコモ・黒川氏 シームレスでユーザーフレンドリーな環境の創造を。 ■日本HP・松本氏 日本から世界へ、日本の景気回復にも役立てたい。 ■小学館・小室氏 ニワトリが先か、タマゴが先かと言われるが、ニワトリも先に、タマゴも先に、と申し上げたい。 ■日本総研・倉沢氏(まとめ) このようなテーマで議論される事が今までは無かった。これをきっかけにITSを普及のさせるため、今回会場に来られた方ひとりひとりが、1ユーザーの立場でどうすべきかを考えることで、ITS推進の役に立てればと思う。