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+車々間通信システム専門委員会成果報告会が開催される

平成16年8月31日、車々間通信システム専門委員会成果報告会が霞が関プラザホールにおいて開催されました。参加者数は73団体から201名でした。 成果報告会では、藤本昌彦氏(総務省総合通信基盤局電波部新世代移動通信システム推進室長)から開会挨拶があり、津川定之氏(名城大学理工学部教授)から「車々間通信の現状と将来」と題して基調講演がありました。引続き、1.小山敏氏氏((株)日立製作所)から車々間通信をめぐる欧米の動向、2.櫛田和光氏((株)本田技術研究所)から第3期ASV(先進安全自動車)次世代技術分科会進捗報告、3,関馨氏((財)日本自動車研究所)からJARI/ITSセンターにおける標準化への取り組み、4.堀松哲夫氏(車々間通信システム専門委員会 専門委員長、富士通(株))から車々間通信システム専門委員会の取り組みと題して講演があり、活発な質疑応答がありました。 特に、ASV検討グループ、JARI/ITSセンターと車々間通信システム専門委員会が共同で行った車々間通信システム実験に関する成果報告に関心が寄せられ、車々間通信を利用した安全運転支援などのアプリケーションへの貢献について、国内の研究者が一堂に会して研究成果を共有し、更に連携、協力を深めていくことになりました。

 
会場風景
会場風景
藤本昌彦氏
藤本昌彦氏

津川定之教授
津川定之教授
小山敏氏
小山敏氏
櫛田和光氏
櫛田和光氏
関馨氏
関馨氏
堀松哲夫氏
堀松哲夫氏

  
講演の概要
(1) 開会挨拶:藤本氏
(2) 基調講演「車々間通信の現状と将来」:津川氏
(3) 各講演
講演1.「車々間通信をめぐる欧米の動向」:小山氏
講演2.「第3期ASV次世代技術分科会進捗報告」:櫛田氏
講演3.「JARI/ITSセンターにおける標準化の取り組み」:関氏
講演4.「車々間通信システム専門委員会の取り組み」:堀松氏
(4) 質疑応答

(1)開会挨拶:藤本氏

カーナビ、VICS、ETCが急速に普及し、我が国のITSは世界的にもトップレベルにあるとともに、今後セカンドステージとして更なる高度化が期待される。特に車々間通信は、安全・安心という観点からも重要であり、これまでの車単独のシステムではなしえない領域を実現する新たなシステムとして注目される。その他、地上デジタル放送、携帯電話、電子タグ、DSRC、車載レーダー等々、電波メディアは益々高度化しており、今後、道路と人と車が有機的に結合し、道路交通分野においてもユビキタス環境を実現できる環境が整いつつある。総務省としても「ユビキタスITS」として車々間通信を始めとするいくつかの研究テーマについて研究開発を推進したいと考えている。今年はITS世界会議が名古屋であることでもあり、これを契機に、官民連携して我が国のITSセカンドステージを推進して行きたい。

(2)基調講演「車々間通信の現状と将来」:津川氏

IVC(Inter-Vehicle Communication)は、任意の場所で可能な通信であり、車載センシングシステムの限界を拡張できると考えており、ある意味では、実用化されているRVC(Road-to-Vehicle Communication)はIVCのサブセットと考えることもできる。これまで内外において様々な媒体、周波数を用いて車車間通信技術が開発されてきている。IVCの効果としては、まず交通の安全と効率への寄与があるが、普及促進のためには安全とエンターテインメントを表裏一体として考えることも必要である。また、低い普及率でも有効なシステムの提供や、ETC車載機をIVCに流用するといった考えも大切である、その先で更に重要になるのは、セキュリティとプライバシーの問題と考える。

(3)各講演

講演1.「車々間通信をめぐる欧米の動向」:小山氏

欧州、北米、日本の車々間通信に関する技術、標準化動向の紹介があった。欧州では、CarTALK2000が終了し、新プロジェクトのPReVENTに移行し、2007年に成果公表される。北米では、VSCC(Vehicle Safety Communication Consortium)を中心に5.9GHz帯を用いた無線LANベースの通信方式がIVCとRVC同一規格で推進されている。現在、IVCでは追突防止、レーンチェンジ、RVCでは信号情報伝達と左折アシストを主要なアプリケーションとして、国家予算でプロトタイプの開発が進められている。日本においては、RVCがARIB STD-T75として既に実用化されており、この技術をIVCに利用する方向で検討されている。

講演2.「第3期ASV次世代技術分科会進捗報告」:櫛田氏

ASVプロジェクトにおける車々間通信技術の検討内容が紹介された。第1期、第2期ASVでは、自律システムや路車間通信による予防安全技術等の効果と限界を把握した。現在、2008年以降の実用化に向けて、システム定義書の作成と検証実験を進めている。対象としている交通事故は、右直、出会い頭、歩行者、正面、追突、左折、車線変更である。車両間の情報交換により運転者に提供される情報は認知支援に限定し、警報などの行動指示情報は提供しない。このシステムにより、死亡事故2,500件/年、重傷事故25,000件/年程度を防止できると考えている。その他、システム定義書、基礎実験の結果が報告され、現在想定する周波数(100MHz、2.4GHz、5.8GHz)では仮に決めた通信範囲内における見通し外条件では十分な性能が得られないことが判った。今後は、他の周波数の検討、要求条件の精査を行い、平成17年度の公開実験に向けた検討を進める。

講演3.「JARI/ITSセンターにおける標準化の取り組み」:関氏

車々間通信には標準化が大切であり、これまでSSVS、DEMO2000(ドルフィンプロトコル)と開発を進めてきた。IVCは、路側のネットワークを介した通信も含むものと考えて開発を進めている。現在の主な活動は、IVCコンセプトリファレンスモデルの構築と、JARI、ASV、車々間通信専門委員会の三者共同実験である。共同実験では、ETC路側機との干渉実験も行った。今後は、上位プロトコルの機能検証を進める。また、交差点アプリケーションにおける標準化の可能性を探る。そのためには、データメッセージの標準化、路側装置の活用、位置情報の取り込みなどが重要と考える。

講演4.「車々間通信システム専門委員会の取り組み」:堀松氏

昨年開催されたVSC国際ワークショップを受けて、安全支援への車の連携(IVC)が期待されている。昨年度までは通信仕様の一次案作成(マイクロ波、ミリ波)と、通信仕様の妥当性の検証を行ってきた。今年度から国際連携と標準化活動を強化するため、組織を再編成し、無線方式検討WG、ネットワーク検討WG及びVSCタスクグループとした。対象アプリケーションの検討、通信仕様案の概要が説明された。また、昨年の三者共同実験においては、専門委員会で想定したシステム要求条件に対応した通信仕様案が技術的に妥当であることが確認された。今後は、1999-2003年度に直積下技術検討結果を元に仕様素案作成を目指すとともに、国際的な標準化/実用化動向を見つつ日本の技術を育て内外に発信して行く。さらに、ここ1-2年の当システム実用化のうねりの中で関係機関と連携を深めてシステムの早期実現を目指す。この際のシナリオとして、如何に既存のシステムの上に作り上げていくか、利便系アプリとどう融合していくかが重要である。

(4)質疑応答

Q.普及のためにはIVCとRVCの融合が必要だと思うが、どうか。
C.IVCのみで普及するのは難しい。協調が必要である。通信方式もRVCを生かして欲しい。
C.自動車からの情報発信も重要。自動車関係者も考慮して欲しい。
C.ASVもIVCだけ考えている訳ではない。安いリピータなどあれば有効。しかし、今はまずIVCからきちんとやる。
Q.米国の実験の進み具合はどうなっているのか。
A.VSCCは研究プロジェクトで実用化は目指してない。IEEE802.11aで実験している模様だが詳細は未公開である。


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