ITS情報通信システム推進会議

私たちは情報通信技術を活用し、世界で最も安全で環境にやさしく経済的な道路交通社会の実現に寄与します。

総会資料:郵政省報道発表 平成11年11月 5日(金) 五省庁がITSの全体概略設計図を策定 〜システムアーキテクチャ完成〜

一覧へ


警 察 庁
通商産業省
運 輸 省
郵 政 省
建 設 省


〜システムアーキテクチャ完成〜


1.ITS*関係五省庁(警察庁、通商産業省、運輸省、郵政省、建設省)は、平成
 11年11月5日に日本の
「高度道路交通システム(ITS)に係るシステム
 
アーキテクチャ」を完成させました。システムアーキテクチャについては、関係
 五省庁が8月6日に素案を公表しており、今回完成したシステムアーキテクチャは、
 その後、
広く一般からコメントを募り、これを反映させることによって完成
 せたものです。なお、コメントについては概ね肯定的意見であり、若干の補足的な
 記述追加等を求めるものが中心でした。

2.システムアーキテクチャは、いわば「ITSの全体概略設計図」であり、関係
 者間のITSに関する共通認識の形成、ITSの個別システムの基本設計に係る
 負担の軽減、標準化及びその結果としてのベンチャー等多様な企業の参入の促進
 などの効果をもたらし、我が国における
多様なITSの本格的な実現を一層加
 
します。

3.また、システムアーキテクチャに準じたITSの実用化・展開や標準化等の戦
 略的な推進は、欧米を中心として世界的な潮流となっており、今回システムアー
 キテクチャが完成したことにより、我が国におけるITSの取り組みが、諸外国
 との一層緊密な連携のもと戦略的に推進されることとなります。

4.完成したシステムアーキテクチャおよび頂いたコメント及び対応については、
 公表と同時に、
VERTIS(道路・車両・交通インテリジェント化推進協議会
 会長:豊田章一郎(社)経済団体連合会名誉会長)
のホームページに掲載します。

   【システムアーキテクチャへの御意見等はこちらまでお寄せ下さい】

       
VERTISホームページ: http://www.vertis.or.jp

   *ITS:Intelligent Transport Systems(高度道路交通システム)
【 問い合わせ先 】

 警察庁交通局交通規制課           吉 田 (代)03-3581-0141(内3931)
 通商産業省機械情報産業局自動車課ITS推進室 都 築 (代)03-3501-1511(内3351)
 運輸省自動車交通局技術安全部技術企画課   江 坂 (代)03-3580-3111(内6537)
 郵政省電気通信局電波部移動通信課      筬 島 (代)03-3504-4411(内4874)
 建設省道路局道路交通管理課ITS推進室    末 吉 (代)03-3580-4311(内3588)





別紙−1


   ITSに係るシステムアーキテクチャ(素案)に対する主な意見と対応

 ITSに係るシステムアーキテクチャ(素案)に対しまして、学識経験者16人、民間
企業1社、1団体より意見を頂きました。主な意見は以下のとおりです。

     
      主な意見      
       対応       
システムア
ーキテクチ
ャ全般に係
る意見
● 日本独自のシステムアーキテ
 クチャを策定した意義を記述す
 るべきである。


● 第I編1.4「システムアーキテ
 クチャ策定の必要性」の部分に
 、我が国独自のシステムアーキ
 テクチャの必要性の観点を加え
 る。
● 社会ニーズ変化や技術進歩に
 対する柔軟性の確保のためには
 、システムアーキテクチャの更
 新のタイミングについて記述す
 るべきである。
● どういう場合にシステムアー
 キテクチャの見直しが必要かに
 ついて、第I編2.2「システムア
 ーキテクチャ策定の考え方」に
 記述する。
● 民間、特にベンチャー企業に
 とってのメリットがよく見えな
 い。これらの立場にとってのメ
 リットを強調するべきである。
● 指摘に合わせて、第I編2.1
 「システムアーキテクチャ策定
 の目的」を修正する。

策定技法に
係る意見
● オブジェクト技法を採用した
 メリットについて、明確に記述
 するべきである。
● オブジェクト指向分析手法の
 メリットについて第II編3.2
2 
 「制御モデル」で追記する。
● ITS内外に存在するシステム
 についても、同じ技法を用いて
 システムアーキテクチャを構築
 すれば、ITSとの整合性や互換
 性についての議論を容易に行え
 るというメリットについても記
 述するべきである。
● 第II編1.3「オブジェクト指
 向分析手法の採用」に加筆する
 。
 
 
 
 
論理アーキ
テクチャ、
物理アーキ
テクチャに
係る意見
● サブシステム間通信では複数
 の通信媒体が定義されているが
 、これらの優先順位をつける必
 要がある。
 
● システムアーキテクチャでは
 、将来にわたっての選択肢を幅
 広く用意する意味も含めて、可
 能性のある通信媒体を否定せず
 に併記することとした。
● 気象情報については、国民の
 生命や財産を未然に防ぐといっ
 た意味で、非常に重要な情報で
 あると考えられ、ITSの中でも
 積極的に議論の対象とするべき
 である。
● ご指摘のとおりと考えており
 、いくつかのサブサービスにお
 いて気象情報を取り扱うことと
 している。
 
 
標準化候補
領域に係る
意見
● 本編にある評価は、今回用い
 た特定の方法で行った場合の結
 果にすぎないため、その評価結
 果はあくまで一例である旨記述
 するべきである。
● 記述した方法は評価の一例で
 あるという主旨になるように第
 II編第5章「標準化候補領域の
 整理」を修正する。
 





別紙−2


         ― 「高度道路交通システム(ITS)に係るシステムアーキテクチャ」の構成 ―


システムアーキテクチャ各項目のタイトル




別紙−3

― システムアーキテクチャとは ―


システムアーキテクチャとは:
システムを構成する要素(技術や個
別システムなど)とその関係を表現
したシステム全体の構造(骨格)を
示すものであり、システムが全体と
して機能するよう設計開発するため
に必要不可欠なもの

― システムアーキテクチャの策定の目的 ―

1 統合的なシステムの効率的な構築
2 システムの拡張性の確保
3 国内・国際的な標準化の促進

― システムアーキテクチャの活用場面 ―


 システムアーキテクチャ策定の3つの目的を達成するため、以下6つの場面にお
いてシステムアーキテクチャを活用することが可能である。

1 ITSが実現する世界に係る共通認識の形成
2 プロジェクト等の開発・展開に係る計画の策定
3 ITS施策実現のための利用者サービスの組み合わせ・活用 
4 個別システムの設計・開発
5 標準化活動の促進
6 ITS研究等のための情報の利用