ITS情報通信システム推進会議

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ITS豆知識

arrow第4回 カーナビの新しい形 ――― ネットワークダウンロード型カーナビについて

今回はネットワークから地図等をダウンロードするネットワークダウンロード型カーナビ(ここでは以下“通信型ナビ”という)についてご紹介します。


1.通信型ナビとは?

 日本では、カーナビゲーションが普及しており、2003年1月の累計で、1,000万台を突破しています。従来のカーナビは、DVDやハードディスクに持っている地図に対して経路探索する機能や、VICS機能を搭載して交通情報を表示するものが中心でしたが、最近は、携帯電話を利用してカーナビなどの車載機へ、天気予報や観光スポットなどの地域情報提供サービスを行うシステムが主流になりつつあります。さらに地図情報、地点情報や経路情報などをネットワークを介してリアルタイムに配信するシステムも登場しております。
 このように、ネットワークを介して車載機に最適経路情報や近隣情報を送り、ナビゲーションを支援するカーナビを“通信型ナビ”と呼びます。
 図1に通信型ナビの構成例を示します。車載機がネットワークを介してセンタに自車の位置情報を送出し、センタで処理した最適経路情報を返すことで、車載機の負荷を軽くすることができます。

図1


2.今までのカーナビと何が違うの?

 従来までのカーナビは、DVDなどのメディアに地図が入っていましたので、新しい道路やお店ができた場合、カーナビの地図を買い換える必要がありました。それに対して通信型ナビは、センタ側の地図サーバから最新の地図を取得できるので、新しい地図情報や地点情報にリアルタイムで更新できるメリットがあります。また、インターネットに多数存在するホームページからお店の情報や観光情報などを取得することができますので、車に多種のメディアを持ち込むことなく多くの情報を入手でき、車載端末の機能に左右されない無限の可能性を秘めていると言えます。
 このように通信型ナビは従来のカーナビの処理機能をセンタ側に持っていくことで、多様で高度な機能を実現できます。このため、車載機はPDAのような簡易な端末でも実現可能です。また、車外に持ち出して歩行者ナビゲーション端末として使用するなど、多彩な利用シーンを創出します。図2に具体例を示します。


図2

3.今後はどうなるの?

 第3世代携帯電話による無線ネットワークの高速化が進み、モバイル機器へのコンテンツ配信ビジネスの成長が著しい現在、通信型ナビも普及していくことが予想されています。これからは、通信型ナビだけで地図やお店の情報のダウンロードをはじめ、メール等を利用したコミュニケーションの充実や、リアルタイムな交通情報を利用した最適ルート案内、位置情報と連携した広告配信、音楽や映像の取得、電子商取引など、車内空間を豊かにする多彩なサービスを実現できる時代がくるでしょう。さらに、車内のみならず、自宅や会社のパソコン、PDAや携帯電話との連携といった車内外でのシームレスな利用形態が提供されていくと期待されています。



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